洪水と内水の違い|住所から2種類の浸水リスクを調べる方法

【記事公開日】2026/10/14

運営元消防士・防災士・防災アドバイザー公的な一次情報を基準に情報を整理運営者の経歴情報源・運営方針

同じ大雨でも、川の水があふれる「洪水(外水氾濫)」と、雨水が排水しきれない「内水氾濫」では、浸水が起こる仕組みが異なります。家や土地の災害リスクを調べるときは、洪水ハザードマップだけで済ませず、自治体が公表する内水・雨水出水の情報も確認することが大切です。

このページでは、公的な一次情報をもとに、住所で2種類のリスクを調べる手順、浸水深の読み方、避難先の確認方法を説明します。特定の住所が安全だと保証するページではありません。

洪水(外水氾濫)

大雨で河川の水位が上昇し、堤防を越えて水があふれたり、堤防が決壊したりして浸水する現象です。

調べる地図:洪水浸水想定区域図・洪水ハザードマップ。

内水(雨水出水)

強い雨で下水道や水路などの排水能力を超え、河川が堤防からあふれていなくても周囲に水がたまって浸水する現象です。

調べる地図:雨水出水浸水想定区域図・内水ハザードマップ。

出典:岡崎市「雨水出水浸水想定区域を指定しました」(2026年4月27日更新)、国土交通省「洪水浸水想定区域図・洪水ハザードマップ」。

住所から洪水と内水を調べる5つの手順

  1. 調べる家・土地の位置を特定する。町名だけではなく丁目・番地、建物の敷地、出入口や避難に使う道を地図で確認します。当サイトの住所検索も入口として利用できますが、町字の代表点と実際の建物の位置は異なる場合があります。
  2. 自治体の洪水ハザードマップを見る。河川の浸水想定区域、深さ、浸水継続時間や家屋倒壊等氾濫想定区域の表示があれば確認します。色の意味は図ごとの凡例で確かめます。
  3. 内水・雨水出水の図も確認する。自治体のホームページで「内水」「雨水出水」「排水」「水害リスク情報」などの地図を探します。洪水図と内水図は対象となる雨や計算条件が異なることがあるため、表示を混同しないでください。
  4. 現地の地形・建物の条件と照合する。地下室・地下駐車場、低い道路、アンダーパス、建物の入口などは特に注意します。地図に示された想定浸水深と居住階も確認しますが、階数だけで安全を保証することはできません。
  5. 災害ごとの避難先と経路を決める。市区町村の最新の避難場所・避難所一覧を読み、洪水・土砂災害・地震など対象災害に応じた場所を選びます。避難情報が発表された際は、道路状況・開設状況も確認してください。
公的サイトで確認する

ハザードマップで色がついていない場所は安全?

いいえ。色がないことは安全の保証ではありません。洪水図や内水図の色は特定の降雨条件・地形・計算方法に基づく想定です。想定を超える雨、地形の細部や排水の状況、まだ整備されていないリスク情報などにより、着色されていない場所でも被害が生じる可能性があります。

内閣府の避難行動判定フローも、色が塗られていなくても周囲より低い土地や崖のそばなどでは必要に応じた避難が重要であると説明しています。内閣府の資料を参照してください。

浸水深はどう読む? 0.5m・3mなどの目安

洪水ハザードマップの色分けは地域・図面によって表示が異なります。国土交通省の手引きでは、0.5m・3.0m・5.0mなどを境界として、建物の階や浸水の程度を考える例があります。

  • 0.5m未満:床下浸水の可能性がある水深の目安です。ただし車の走行や徒歩避難を安全と保証する意味ではありません。
  • 0.5m以上3m未満:1階部分の浸水につながる水深の目安です。浸水が始まってから外へ避難するのは危険なことがあります。
  • 3m以上:2階の床面の高さにも達し得る水深の目安です。建物ごとの高さ・構造、氾濫流による倒壊リスクも踏まえなければなりません。

これは一般的な読み方であり、建物の安全性を個別判定する数値ではありません。浸水時は水深だけでなく、流速・継続時間・家屋倒壊等氾濫想定区域も確認してください。国土交通省・洪水浸水想定区域図等の注意事項。

避難は水が来る前に考えます。冠水した道路を無理に進むことは危険です。実際の避難行動は、市区町村からの避難情報と現在の状況を優先してください。屋内安全確保ができるかどうかも、浸水深・建物の構造・浸水継続時間・備蓄など複数の条件で判断します。

同じ岡崎市でも「内水の地図」は複数ある

地図の種類を見分ける具体例として、愛知県岡崎市の公式資料があります。市の「みずから暮らしを守るマップ」は、市街化区域を対象に時間最大雨量70mm程度の30年確率降雨を想定して、浸水リスクを示しています。

一方、2026年4月に指定・公表された雨水出水浸水想定区域図は、想定最大規模降雨として時間147mmを前提としています。雨の条件や地図の目的が異なるため、色や浸水深をそのまま同じ数値として比較できません。閲覧する図の更新日・凡例・対象区域を必ず確かめてください。

岡崎市の具体的な住所を調べたい方は、羽根町と羽根町小豆坂のページからも公的情報への確認手順を参照できます。

住宅購入・賃貸・引っ越しの前に確認したいこと

  1. 希望物件の住所を正確に確認し、洪水・内水の両方の図で対象地点を照合する。
  2. 浸水深だけでなく、建物の出入口・居住階・地下の設備・周辺道路と避難経路を確認する。
  3. 家族に高齢者・乳幼児・移動に時間を要する人がいる場合は、早期避難の計画を具体化する。
  4. 不動産取引上の水害リスク確認では、市町村が作成した水防法に基づくハザードマップを確認する。「重ねるハザードマップ」の画面は、それ自体が市町村の水害ハザードマップではありません。

物件候補を並べたい場合は物件防災比較ツールも利用できます。ただし、比較画面の表示内容だけで不動産の安全性を保証したり、自治体の正式な確認に代えたりすることはできません。根拠:ハザードマップポータルFAQ。

よくある質問

洪水マップで色がなくても、内水マップでは色が付くことがありますか?
はい。想定する浸水の仕組みと条件が違うため、片方だけでは評価できません。両方の最新資料を確認してください。
町名だけ分かれば浸水深も分かりますか?
町名は検索の入口になりますが、地形や浸水深は丁目・番地や道路を挟んだ場所でも異なることがあります。建物の位置を地図で確かめる必要があります。
地図に色がない場所には避難しなくてよいですか?
いいえ。地図の想定外で災害が起こる可能性があります。自治体の避難指示、現地の状況、周囲より低い場所・崖などの条件に応じて判断してください。
同じ市の浸水想定図で雨量が違うのはなぜ?
計画規模、想定最大規模、地域独自の水害リスク解析など、地図が前提とする雨や解析目的が異なるためです。名称だけでなく降雨条件・地図の説明・更新日を読みましょう。

出典・確認先

情報確認日:2026年10月14日。掲載する一般的な解説は、個々の住所の災害発生や安全性を保証するものではありません。災害時には自治体・気象庁などの最新発表を確認してください。

▼川・大雨の最新防災情報

大雨の前や災害時には、次の公的機関の最新情報を確認してください。

危険度の地図は避難判断の参考情報です。市区町村の避難情報と現地の状況を優先し、避難先の開設状況と移動経路も確認してください。

▼首相官邸(災害・危機管理情報)

首相官邸の災害・危機管理情報をXで確認

警報・避難指示などは、自治体と気象庁の最新発表を優先してください。



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